地形・地質
平内村は、季節によって若干違うが、村人がよく「太陽は真東に昇り、真西に沈む」というほどに屋久島の最南部に位置する村のひとつであり、東は境川、西は湯川で、隣村の小島村・湯泊村と接している。東西に約3・5㎞、南北に2㎞内外にあり、比較的平坦な地形となっている。
人家は、古くはキドンコーとシタンコーの囲まれた地域に集中していたが、明治末期から大正期にかけて、 西部の西開墾と呼称される地域に、「黒葛原氏」や喜界島から「龍家」などの移住があり、また海中温泉の近くには、湯の小屋と呼ばれる村人の湯治小屋、あるいは隠居家が十戸近くあった。戦後、農地改革により、西開墾や東部の上之牧地域に多くの入植者が移住し、八幡神社の海岸よりに村の共有地を開放して宅地化し、新町がつくられている。
村内には小川が多く、やや軽石のある土地はあるもの、農耕に適する土地も多い。
大崎川から洗水河に至る間は、昔、河川のはんらんがあり、花崗岩の軽石が多い。
地質は、県道から海岸側は、堆積岩質赤黄色土が多く、県道より山手側は、花崗岩質赤黄色土が多い。また、山麓は、褐色森林土となっている。
しかし、西開墾地区は、県道より山麓近くまで堆積岩質赤黄色質となっている。
海岸は、10㍍から30㍍の海崖(かいがい)となっており、入り江はあるが浜は少なく、良港もない。しかし、磯釣りのポイントは多い。
湯泊村との境になっている湯川は、その名のとおり温泉の湧く川であるが、その河口の平内海岸には、温泉が湧出している。
その一部は、岩を掘削して浴槽とし、海中温泉として利用されている。